キューライス記

漫画家、絵本作家、イラストレーター、ときどきアニメーション作家のキューライス(坂元友介)のブログです。

2016/11

9時30分、ピザをぺろりと平らげた私たちはウェスタンランドの一角にシートを敷くと腰を下ろし、じっと待機する。 10時35分に開催される、この時期のパレード「ハロウィーン・ポップンライブ2016」(10月31日で終了)なるものを万全の位置で見るための待機である。 ウサギが ... MORE

9時30分、ピザをぺろりと平らげた私たちはウェスタンランドの一角にシートを敷くと腰を下ろし、じっと待機する。

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10時35分に開催される、この時期のパレード「ハロウィーンポップンライブ2016」(10月31日で終了)なるものを万全の位置で見るための待機である。

ウサギが気をきかせて「ビッグサンダーマウンテンのファストパスを取ってくる」と席を立った。私は持ってきた本「ビルド・アンド・スクラップ」を読んで時間を潰していた。

しばらくして帰ってきたウサギが浮かない顔をしているので尋ねてみると、「スモークターキーレッグが売ってなかった…」とさも残念そうに漏らしている。

今やランドの名物的存在のターキーが売っていないというに驚いたが、それ以上にさっきピザを食べたばかりなのにターキーをせしめようとしたウサギの食に対する貪欲さに驚かされた。

この食欲と性欲の権化め、などと心の中で悪態をついているとパレードは始まった。

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ディズニーランドのパレードはキャラクターたちもさることながら様々な衣装に身を包んだダンサーたちも面白い。今年はミイラときゃりーぱみゅぱみゅの合いの子みたいなダンサーの衣装が可愛かった。

また、フロートから散布されるスモーク入りのシャボン玉も楽しい。しかし、今年の音楽はあまりハロウィンっぽさがなく、これならば昨年までの「ハッピーハロウィンハーベスト」の音楽のほうが私個人としては好きだった。

 

ショーを見終えた私たちはファストパスを使用し、ビッグサンダー・マウンテンに乗車することにした。廃鉱を暴走する列車「マイントレイン」に乗って猛スピードで山を駆け抜ける人気の高いアトラクション、この日も一攫千金の夢を抱いた連中がわんさかと登山していた。

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「ビッグサンダー」の名前の由来は開拓者たちが掘削に使った発破の爆発音を、先住民たちが「神の怒りだ!」と勘違いしたことによるらしい。こんなバックスストーリーがあるのもディズニーランドのアトラクションの醍醐味ではなかろうか。

しかし、ここでも指先を「チュンッ」と、何かにぶつけやしないか不安な私は意地でもバンザイはしない、「ドライブ型」で優雅に楽しむ。

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ところで、私がこのアトラクションで一番好きなところは道中にある開拓者のちいさな小屋、外には洗濯物も干してあって、あたかもさっきまでここに誰かいたかのような雰囲気があって素敵だ。

下車後、「いつかあんな小さな小屋に一人でひっそり暮らしたい」とウサギに漏らしたら「お前はまあだだよ』の内田百聞先生か」と言われて。変に納得してしまった。

 

つづく

 

 

 

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10月、気持ち良い秋晴れの木曜日、私は友人のウサギと二人京葉線に乗り舞浜の地に降り立った。今日は二人で東京ディズニーランドに行くのだ。他の遊園地を圧倒し続ける一大娯楽施設、いつ来ても溢れんばかりの来園者でいっぱいの夢の王国…。 そんなディズニーランドが私は ... MORE

10月、気持ち良い秋晴れの木曜日、私は友人のウサギと二人京葉線に乗り舞浜の地に降り立った。今日は二人で東京ディズニーランドに行くのだ。他の遊園地を圧倒し続ける一大娯楽施設、いつ来ても溢れんばかりの来園者でいっぱいの夢の王国…。

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そんなディズニーランドが私は大好きなのだ。

 

幼い頃から、何度も何度も入園した結果、目を瞑ってでも歩けるくらいランドのことは熟知しているし、ホーンテッドマンションのゴーストホストの台詞を暗記しているほどだ。それに最近、Macと睨めっこしてひたすら数千枚の動画を着彩している私、そんなストレスを解消するために夢と魔法の王国へやってきたと言っても過言ではない。ヤケになったと言ってもいいだろう。

今回は友人のウサギを連れて行くことにした。彼もディズニーランドが好きだし、何より動物だから基本的に暇なのだ。電話をかけるとボリボリと何かのスナックを食べながら「いいね、行こう」との返事。まるでタイラー・ダーデンみたいな奴だ。

 

これから10回に分けてウサギと訪れたディズニーランド来訪記を記していきたいと思う。しかし、何かと著作権的なことにうるさいディズニー、いつも画像の端に記す「©キューライス」がないのは私の肝っ玉の矮小さと認知して頂きたい。

 

入り口に着いたのは8時40分頃、チケットは事前にコンビニで購入してあり、私とウサギはすんなり入国できた。

ワールドバザールを大勢のゲストが思い思いの方角へ競歩の如く急いで行く、「走らないで」の看板を持ったキャストの笑顔、朝のランドの風物詩である。

私たちはまずトゥモローランドの方角へ歩いて行くことにした、目的はショーの抽選である。しかし、この日は夜のプロジェクションマッピング、「ワンス・アポン・ア・タイム」の抽選は行われていなかったので早々に立ち去った。

 

ふと、スペースマウンテンを覗いてみるとスタンバイが10分だったので早速乗ることにした。スペースマウンテンは小型ロケットに乗り込み、宇宙空間を急上昇、急旋回、急降下するジェットコースターだ。

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よくジェットコースターに乗るときに両手を高々と掲げている人がいるが、私はそれができない。万が一にもそんなことはないと信じているが、猛スピードで指先をなにかの出っ張りに「チュンッ」と、ぶつけやしないか心配なのだ(ディズニーランドに限ってそんなことはあり得ないはずなのに)。

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だから私はいつもこんな感じでコースターに乗る。「ドライブ型」と私は呼んでいる。

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ところで猛スピードで移動するとうさぎの耳がバタバタとうるさい事をこの日知った。

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宇宙から地球に帰還すると、私たちはファンタジーランド方面へ向い、レストラン「キャプテン・フックス・ギャレー」を訪れた。朝食にピザを食そうという魂胆である。

朝の9時からピザを食べるという日常ではあり得ない芸当を可能にするのもやはり夢の王国の魔力だろうか。それに昨日の夕食が蟹味噌の缶詰のみだった私の胃はギュルギュルと前衛的な音を奏でているのだ。

 

私はベーコンとパイナップルのピザ、ウサギはシーフードのピザを注文する。

かつてはネバーランドを舞台に大暴れした大海賊フック船長も、今や朝早くからピザを焼く立派な勤労者となったのか。相棒のスミー君と二人で慌ただしく厨房で働くフック船長の様子を想像してみれば、美味しさも倍増するというもの。

 

ああ、それにしてもここのピザは美味しい。ピザーラよりもピザハットよりも、コストコのピザよりも、私はここのピザが大好きだ。来園した目的の三分の一はこのピザと言っても過言ではない。独特の三角形のケースを見ただけでウキウキとしてくる。

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三角ケースでのピザの販売をやめてしまった、トゥモローランドにある「パン・ギャラクティック・ピザ・ポート」の店主トニーは即刻考えを改めて頂きたい。

 

つづく