野良ウィヌ「ブルブル」
終盤でのハウルとソフィーの
「ああ、ソフィーの髪の毛、星の光に染まっているね!きれいだよ」
「ハウル大好き…よかった!」
というやり取りは絵コンテでは
「ああっ!ソフィーの髪って赤かったんだね!きれいだよ」
「私のは赤錆色!よかった!」
という台詞でした。
このことから、ソフィーは呪いが解けた時点で赤錆色の髪の色を取り戻す予定だったと思われます、でも、映画版では最後まで銀髪のまま。
試しに、ジブリ公式で配布されてるソフィーの髪を赤錆色に加工してみたら…そっくりなんですよナウシカに…(この画像とかSNSにアップするのは常識の範囲なのかな…どうしようかな…)
絵コンテを見ても後半のミディアムのソフィーはナウシカにそっくり、というかナウシカにしか見えないんですよ。
それに気付いた宮崎監督が途中からソフィーはずっと銀髪でいくことを決めたのかもしれませんね。
老婆になったソフィーは気持ちが前向きになると若返り、髪の毛も元の茶色に戻ります。しかし、ハウルに花畑に連れて行ってもらったときから、容姿は若返っても髪の色は銀髪のままになります。
このあと、ハウルに「ソフィーはきれいだよ!」と言われても「年寄りのいいところは無くすものが少ないことね」といって老婆の姿に戻ります。
そのあとのハウルの心境が絵コンテには記載されていて
(なんてガンコな呪いなんだ…もうソフィーの呪いはとっくにとけてるのに…)とあります。
つまり、この時点ですでにソフィーの呪いは解けていて、彼女が老婆の姿に戻るのは自分自身にかけた別の呪いといえるかもしれません。荒地の魔女に呪われる前から、ずっと彼女は自分の人生を呪っているんです。それがハウルのいう「ガンコな呪い」なのです。
カブ頭のかかしはソフィーのキスによって人間の姿に戻ります。
このときの荒地の魔女の「愛するものにキスされないと解けない呪いね!」というセリフからカブはソフィーに恋していることがわかります。
でも、悲しい現実にみんな気づきましたか?人間に戻ってからの彼に、ソフィーは一言も言葉を与えないんですよ… 女は好みでない男にはまったく興味を示さない…フラれた経験が多いという宮崎監督の現実的な目線を感じます。
好きな女性が目の前で他の男と抱き合っても明るい笑顔を崩さないカブ…健気です。
カブは隣の国の王子で彼も魔法使いなのでしょう、人間に戻っているというのにかかしの時のように杖でぴょんぴょん跳ねながら去って行きますから…
あと、「なぜソフィーがハウルの城に入れたか」がよく議論になりますが、ソフィーを招きれたのはカルシファーです。マルクルには「荒地から勝手に入ってきた」といいますが、ソフィーに料理を手伝うように促された際に「こんな婆ちゃん入れるんじゃなかった!」と本音が飛び出てます。