けなげだなー。



昨日のコメントで庵野監督のドキュメンタリーのことについて、ふれたものがありましたが…

それは庵野監督が「シン・仮面ライダー」の撮影中にアクション監督の決めたアクションに不満をぶちまけ、「殺そうとしてるように見えない、殺陣しか頭にない」「気合を感じられない」などと言い、仕舞いには「全部アドリブでやりたいくらい、段取りなんていらない」と全てをひっくり返す…という、シーンが放送されたんですよね。

私はディレクターと言ってもCMディレクターだったから、そんなことはまず絶対にしないし、出来ないけど、映画監督は映画が良くなるならなんでもする「映画の奴隷」であり「加害者」ですから、あっても当然かと思います。
宮崎駿監督だって「演出やってると友達がどんどんいなくなる」と言ってるように、相手が傷つこうが映画が良くなるならなんでも言うんですよ。
庵野監督だってその昔「火垂るの墓」に手伝いで入った時、１ヶ月かけてリサーチして一生懸命描いた重巡洋艦を、高畑勲監督の演出で真っ黒に塗りつぶされてますし…。

一方、CMのディレクターは違って。なぜならCMはどこまで行ってもクライアントのものだから、もちろん、監督の作品という側面もあるといえばあるけど、映画ほど監督に権限はない。それまで打合せで「OK」をだしていたものに、現場で突然「だめだ！」と言い出すCMディレクターなんて、次から呼ばれなくなるだけです。


一方、庵野監督は「シン・ゴジラ」の時だってものすごいお金をかけてゴジラのアニマトロニクス作らせておいて、出来上がってから「やっぱり使わない」と言っちゃうお方ですから…

今回のドキュメンターで苦闘したアクション、はたしてどれくらいが映画に採用されてたか…
それは映画を見て確認してください、愕然とします。