大勝軒本店をあとにした私は次の目的地であるスーパー銭湯タイムズ スパ・レスタ」を訪れた。

初めて訪れるスーパー銭湯サンシャインシティの目の前にあるビルの10階~12階に位置する都会型銭湯だ。

エレベーターにのってロビーに行き、ロッカーに靴を預けるときにそれはやってきた。「香水くさい」、まるでデパートの化粧品売り場、まるでディスコにたどり着く前に非業の死を遂げた、バブル期のボディコンギャルの地縛霊にまとわりつかれたかのように強烈な香水のフレグランスがエントランスロビー全体を包んでいた。

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しかし、館内は非常に清潔で、バリ島や沖縄のリゾートをモチーフにした調度品の数々も素敵だったし、何よりロビー中央外にある大きな人口滝が涼しげで嬉しくなる。

ボディコンギャルの地縛霊に抱きつかれながらロビーでタオルと館内着を受け取った私はさっそく湯船のほうへと向かう。時刻は午後13時、日があるうちの風呂ほど贅沢なものはない。

入念に流し湯をして、身体を拭くとまずサウナへ向かう。私のスーパー銭湯での基本的な過ごし方はサウナ→水風呂→休憩→サウナの繰り返しで、時々、箸休め程度に湯船に浸かるくらいだ。

サウナはなかなか広く、檜の香りも豊かだし、なによりちゃんとテレビもついていて嬉しい。普段家ではまったくテレビを見ない私にとって、下界の様子を垣間見る大切な機会なのだ。

番組はバラエティで、まったく知らない女性タレントが自宅で薫製料理を作りながら、ロボホンに話しかけていた。

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ほどよく汗をかいた私はサウナを後にし、水風呂に向かう。

しかし、そのとき、思いがけない再開が待っていた。そう、「オケシャワー」である。以前、豊島園のスーパー銭湯庭の湯」に訪れた際に、その自己を戒めるような内罰的面白さに夢中になったオケシャワーと、ここに来て運命の再開を果たすことができたのである。

私は嬉しくなりさっそくオケった、冷水が一気に私の身体を洗い流し、ボディコンギャルの霊も除霊されていくような気がした。

 

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水風呂は面積こそ広くはないものの、充分な深さが担保されており身にまとった熱気が溶け出すように無くなっていく。

水風呂をあがると屋外コーナーへ出てみた、そこには円形浴槽のジャグジー、ホワイトイオンバスと地面に埋め込まれた二つの釜風呂、横になれるビーチチェアが3台置かれていた。

ふと、そのうちの一つに横になる。目の前には青い空と、刻々と姿を変える白い雲、強い日差しを受けるビルが眺望できた。日差しを浴びながら目を閉じる、太陽の明かりがまぶたに流れる血液を照らし、真っ赤な世界が広がる。

いろいろな心配事や不安がなくなったわけではないけど、この時、この瞬間、私は少しだけ幸福な気持ちになることができる。素直に「生きていてよかった」と思える瞬間と出会える、それが私にとってのスーパー銭湯なのだ。

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その後、ホワイトイオンバスに浸かってみる、気体がお湯に溶け込み、ミクロの気泡によって身体の汚れを奥から洗い流し、超音波の働きで身体も温まるという白い湯船。

しっとりとして柔らかいお湯、私のようなリアルに描くとこんな感じの無精髭のむさ苦しい男が浸かっていては場違いなのではないか、と思えるほど上品で優しいジャグジーだった。

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何度かサウナと水風呂を往復したのち、館内着に着替えてロビーに出る。相変わらず香水の匂いがすごい、階段を下るとカフェがあった。大きな窓からがサンシャインシティ乙女ロードが一望できる。

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私はそこでしばらくブログに載せるための記事をパタパタと打っていた。そういえば、サンシャインシティ巣鴨プリズンの跡地に建てられたんだっけ、なんてことを思いながら2時間ほど過ごし、再度入浴。

 

16時をまわると客足も増えてきた。サウナが満室近くまで埋まっていた。さきほど至福のときを過ごしたビーチチェアも人で埋まり、なかなか空く気配をみせない。私はサウナと水風呂の往復を繰り返し、それに満足するとレスタを後にした。

 

 

天然温泉はないにしても、気持ちのよい日光が入り込み、清潔感のある入浴ゾーンは素晴らしかった。

ドギツイ香水の匂い以外は大満足のスーパー銭湯だった。今度はサンシャイン水族館にでも足を運んだ帰りに立ち寄ろう…。友人のウサギも誘って。

 

www.timesspa-resta.jp