タコス。
タコスが好きだ。
とくにハード・タコスと呼ばれる硬いトルティーヤに具材を挟んで食べるタコスが好き。
なんなら挽肉やレタスに紛れて挟まりたいとさえ思う、しかし、残念ながら近所に気の利いたメキシカン料理屋も、タコベルもない。
仕方ないのでタコスシェルセットを使って自宅で作り、そして食す。月に2回、独りで行うタコス・パーティーはイベントの少ない私にとって大切なお楽しみの時間、スパイシーなひき肉、新鮮なレタス、チーズ、サルサを塗ってバリバリと貪り食う。
うぉぉぉん、俺はガエル・ガルシア・ベルナルだ。
そんな愛してやまないハード・タコスと初めて出会ったのは中学生の頃に通っていた英会話教室。デイヴィッドという名のアメリカ人の個人宅に赴き、そこで英会話を習っていたのだけど、授業が終わったあと、デイヴィッドの奥さん(日本人)が作ってくれたのが例のタコスだった。そこから私のマリアッチ人生が始まったといっても過言ではない。
よく晴れて暑い土曜日の昼下がり、お腹を空かせていると隣のトレーラーハウスに住んでいるダニー・トレホが秘伝のレシピで作ったタコスを差し入れに来てくれたら嬉しいのに(一緒に食べるのは緊張するからいやだけど)。
それにしてもタコスシェルは気の利いたスーパーにしか置いてないから困る、もっとあらゆるところに置いて欲しいものだ。
しかし、どんなにタコスやメキシカンが好きでもメキシコへ赴いて、本場のメキシコ料理を食べたいとは思わない。私は海外旅行が好きではないし、一部の映画の影響でメキシコの麻薬カルテルがとても怖いからだ。
いきなり後ろからモーターでゆっくり首が締まる装置を装着されても困るので、私は日本でタコスを愉しむ所存だ。
↓一部の映画はこれです。
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qrais
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