20時、遠くの方をエレクトリカル・パレードの光が移動している、人の波をかいくぐるようにしてなんとかファンタジーランドに出ると、「プーさんのハニーハント」がスタンバイ10分だった。人気アトラクションにしてこの待ち時間はなかなか無いことである。

さっそく乗ってみることにした。蜜壺みたいな乗り物に乗って100エーカーの森を冒険する。過剰に糖分を摂取したせいか途中、プーさんの夢の世界にトリップしたりする。「こんなことになるのも蜂蜜を大好きなせいだ」というプーのセリフがどこか自分の性質を諦観していて好きだ。

アトラクションを降りたところにあるプーのぬいぐるみがくたびれていて少し悲しそうな顔をしていて素敵だった。これが売店にあったら買うのに…。

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20時30分、疲れたし、おみやげも買わないしで(二人ともおみやげを渡すような友達はいない)早々に帰る運びになった。最後の〆に乗るアトラクションは「カリブの海賊」である。昔は「キャプテンEO」だったが今やもう無い。

 

朝方は混雑する「カリブの海賊」だが夜はほとんど並ばず入れる。実際、私とウサギが船着き場に行くと誰もいなかった。キャストのお兄さんが「それでは船長、一人旅いってらっしゃーい」と明るく声をかけてきたが、私の隣にいるウサギが見えなかったのだろうか…。

前のボートを見ても、後ろのボートを見ても誰も乗船していない、私とウサギはほんとうに二人きりだった。

建設費160億円をかけて作られたもっとも規模の大きいアトラクションともいえる「カリブの海賊」。小学生の頃、水道の水を勢い良くバケツにぶつけると「カリブの海賊」の落下するときの匂いがすることを大発見したのに、あまり周囲の反応が良くなかったという思い出がある。本当にあの匂いが再現できるに…。

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ボートは時代を遡り、海賊達が大暴れする港にたどり着く。

リニューアルされて変わった点も多いアトラクションだが、変わらないところもある。海賊に宝の在り処を拷問されている町長カルロス。33年間拷問され続けても口を割らないとは、ものすごい忍耐だ(それともただの恐妻家か…)。

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海賊達は好きなだけ暴れて、酒を飲み、女を追いかけ、火を放ち、最後には武器庫のなかで大砲や銃を乱射する。このアトラクションが好きな理由はこのディズニーらしからぬ退廃的な雰囲気だ。この雰囲気だけはいつまでもリニューアルして欲しく無いものだ。

カリブ海から丘に上がった私たちはワールドバザールを通って、出口へ向かう。途中、古い海外のアーケードゲームが集められた「ペニー・アーケード」に立ち寄った。

狭い箱のなかで商売をしている占い師のお婆さんに今後の運勢を占ってもらった(¥100)、下の方から音もなくカードが差し出されそこにはこう書かれていた。

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あなたはとても真面目な人で少しもリラックスする時間を持ちませんでした。

しかし、あなたの未来はとても明るく輝いています。

あなたはとても潔癖な人で、周囲の状況によってはとても幸せにもなりますが、

惨めにもなります。新しい友人を求めてはいけません。

あなたの古い友人はとても貴重です。

 

果たして今の私が幸せなのか惨めなのか、それはよくわかりませんが。古い友人であるウサギを大切にしようと思う。

 

 

永きに渡って記してきた、私とウサギのディズニーランド訪問記はいかがだったでしょうか。機会があれば今度はウサギとシーにも行こうと思ってます。では。