恐怖の心霊ホテルから無事に生還を果たした我々は、ブラブラと適当に歩き始めた。
今やダッフィー村と化してしまったケープ・コッド、鱈が名産の小さな港町感が素敵だがウサギに言わせると「生臭さが足りない」のだそうだ。
ポート・ディスカバリーを突っ切って、太古の遺跡が発掘されているロストリバー・デルタへ出た。
密林にひっそりそびえ立つ太古の寺院、秘宝を奪おうとする人間を狙う数々の罠、吹き矢…、猿の脳みそシャーベット…、思わず耳から冒険汁が溢れ出そうになる。
クリスタルスカルの魔宮の前に生贄台が置いてあったので、うさぎを生贄にして記念撮影をした。
「アデ…ドュイ…デンベラァ…我に力を与えよ!」と思わず人形に自分の魂を移す某ホラー映画のセリフまで飛び出す始末。
そんな高いテンションのまま、私たちは「インディ・ジョーンズ アドベンチャー クリスタルスカルの魔宮」に乗ることにした。
シングルライダーという一人のゲストなら問答無用にゼロの待ち時間で乗れるという荒技があるのだ。(ウサギには申し訳ないがこのときだけぬいぐるみの振りをしてもらった。)
このシングルライダー制度は「あ、あのひと、一人で来てる…」的な周囲の目さえ気にしなければ、最高の発明といえるだろう。
魔宮の中はいたるところヒビが入り、蔦は伸び、生贄の人骨が散乱しており、おどろおどろしい壁画もある、魔宮感満載だ。
壁に開いた穴から太陽の光が射し照らし、その光を反射する大きな鏡、時間によってはその光の反射がこの魔宮のどこかにあるという伝説の「若さの泉」を指し示すのだろうか…、その感じが極めて「失われたアーク」っぽくてヘソから探検汁が出そうになる。
本当ならそういう仕掛けをじっくり見たいが、こちとらシングルライダー。
待ち時間は皆無だ。どんどん乗り場へと歩みを進めていく。そして、あっという間にジープ乗り場にたどり着いた。
薄暗い魔宮のなかをジープに乗って疾走するウサギと私。
物見遊山気分の観光客にクリスタルスカル様の怒りと呪いが爆発、虫や蛇や吹き矢、様々な罠が降りかかった。
そして、最後にインディジョーンズ博士お約束の巨大な岩石が転がってきた。
志村が歩けばタライに当たるように…
上島竜兵の目の前には熱湯があるように…
ジョーンズ博士が現れる場所には巨大な岩が転がってくるのである。
すんでのところでそれを避けることに成功する我々。
無事、もとの場所へたどり着くと、同じく岩石を避けることに成功したジョーンズ博士が見送ってくれた。
このときの博士の挙動に注目してほしい、右手につけた腕時計で時間を確認しようとするが、腕時計が見当たらず、「どこかで落としたのか?」と、下の方を見回したりしてているのだ。
実に細かくて素晴らしい(私の思い込みかもしれないが)。
つづく
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